「Street Dreams」「真っ昼間」 …“ヒップホップ・アクティビスト”Zeebraの聞くべき5曲

K DUB SHINE、DJ OASISと「キングギドラ」を結成し、音楽活動を開始。1995年にリリースされたアルバム『空からの力』は、HIPHOP黎明期であった日本において大きなインパクトを残し、未だに語り継がれている。
1997年にはソロとして活動を始め、1998年に1stソロアルバム『THE RHYME ANIMAL』を発売するなど、HIPHOPシーンにおいてその名が着実に浸透しつつあったが、1999年に客演で参加したDragon Ashの『Grateful Days』が90万枚を売り上げる大ヒット。HIPHOPシーンのみならず、世間にもその存在が知られるところとなった。その後もコンスタントに曲のリリースを続け、そのカリスマ性を誇示し続けた。

近年においてもテレビ朝日「フリースタイルダンジョン」のオーガナイザーを務め、さらにHIPHOP専門のネットラジオ「WREP」の主宰を務めるなど、今も日本のHIPHOPシーンに貢献を続けている。そんな、Zeebraの聞くべき5曲を紹介したい。

「真っ昼間」

記念すべきソロデビューとなる作品。緩いトラックになんとも夏らしいリリックが特徴。ビートも作れるというZeebraの強みを生かし、そのオリジナルスタイルをシーンに示した。スチャラダパー「サマージャム95」、かせきさいだぁ「じゃっ夏なんで」と並び、クラシック・サマーチューンとして度々挙げられる。MVにはURBARIAN GYMの面々が出演しているのも見どころ。2022年にはPUNPEEとBIMの『Jammin’97』に客演として参加したZeebraがこの「真っ昼間」のリリックをセルフサンプリングしている。

「Street Dreams」

SOUL SCREAMのDJ CELORYが制作したトラックに、Zeebraのガナり声が映える一曲。当時のUSのHIPHOPサウンドに見劣りしないその疾走感のあるトラックも特徴的だが、<俺がNo.1ヒップホップドリーム 不可能を可能にした日本人><ぜってぇ誰も真似できねぇ俺のライフ>といった、Zeebraの強みである「リスクを犯してでも言い切ってしまう攻めの姿勢」を前面に押し出し、日本におけるHIPHOPアイコンであることを改めて知らしめた。Zeebraファンの中でも人気が高く、ライブでは締めの曲として歌われることが多い。

「Neva Enuff feat.AKTION」

ビートたけし主演映画『BROTHER』にインスパイアを得て作られた作品。俳優として『BROTHER』にも出演していた真木蔵人がAKTION名義で華を添えている。また、『BROTHER』サイドの許諾を得て劇中の銃声音やビートたけしのセリフをサンプリングして制作された。日本人というアイデンティティを感じるリリック、英語が解るといった内容のリリックは『BROTHER』の世界に通じるものがある。この曲はオリコン週間ランキング10位を記録するほどのヒットとなった。

「Do What U Gotta Do feat. AI,安室奈美恵&Mummy-D」

B‐BOYイズムで一世風靡したRHYMESTERのMummy-D、「Story」や「ハピネス」といったヒット曲で知られるAI、かつて日本を代表する歌姫であった安室奈美恵、そしてZeebraという4人のスターによる夢の共演。キャッチーな印象を残すトラックはZeebra本人がプロデュース。盛り上がるMummy-DとZeebraのラップパート、そして二人の歌姫が参加したことでさらに華やかさが添えられた。「Street dreams」のリリックにその名が登場するRHYMESTER、「GET UP (REMIX)」を始めとしてZeebraと何度も共演をしているAI、そしてSUITE CHIC名義でZeebraとのコラボ実績をもつ安室奈美恵。それぞれのアーティストとZeebraとの結束力が光る作品である。

「SUPATECH (what’s my name?)」

適度に抜け感がありながらも当時のUSのHIPHOPシーンと比べても遜色のないハイクォリティーなトラック、そして中毒性のあるコーラス、まさにZeebraのキャリアを代表するパーティーソング。Zeebraとビーフ合戦を繰り広げて話題になったRAU DEFが和解後に「HYPATECH」というタイトルでカバーしている。「HYPATECH」はZeebraが冒頭でシャウトをかましている他、MVに出演しており、その懐の広さを証明した。

もうあれで、俺の人生は決まりました|Zeebra インタビュー#1

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