映画の世界観を表現した『Wes Andersonチャレンジ』動画がTikTokで流行中

映画『犬ヶ島』(2018年)、『グランド・ブダペスト・ホテル』(2014年)、『ダージリン急行』(2008年)などで知られるWes Anderson(ウェス・アンダーソン)監督にインスパイアされた動画チャレンジがTikTokで流行中だ。

@avawillyums With a good imagination, everything is symmetrical. Let a girl day dream! #wesanderson ♬ Obituary – Alexandre Desplat

ポップなパステルカラーや、シンメトリー(左右対称)な構図などを組み合わせたユニークな映像スタイルと、喪失や悲しみ、家族関係などのテーマを融合させた唯一無二の作品世界で、映画ファンや若者を虜にしてきたウェス・アンダーソン監督。世界の実在の風景からウェス・アンダーソン監督の映画に出てきそうな場所を撮影し投稿するファンによるInstagramコミュニティ「AWA(Accidentally Wes Anderson)」なども人気を集めてきた。

最近は、写真のみならず動画でも、ウェス・アンダーソン監督の独特の世界観をテーマにすることが流行しているようだ。アンダーソン監督の映画に出てきそうなシーンを綴る台詞のないチャレンジ動画がTikTokで人気になったのは、Ava Williamsというユーザーが4月8日に投稿した動画がきっかけだとされる。この動画には、早朝に始発の電車へと乗り込み、ニューヨークのグランド・セントラル駅まで向かう女性の姿が映し出されている。彼女は無表情で駅のホームで佇み、空いた車内の座席で足を投げ出す……。

「Newsweek(ニューズウィーク)」誌のインタビューによると、Ava Williamsは実家からニューヨークへ戻る電車の旅を記録に残したそうだ。その前夜に両親と一緒に観たウェス・アンダーソン監督の映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』(2022年)からインスパイアされた彼女は、短すぎる実家での滞在を悲しみながら、感傷的になる旅をカラフルで幻想的な映像で彩り、「本当は楽しみたくないけど、なんとか楽しもうとしている時間」を記録したのだという。すると、日常にロマンチックな視点を持ち込むことで、旅が楽しくなるということも副産物的に感じられたようだ。

彼女の投稿に続くように、ポルトガル・リスボンで過ごす週末や、パリ、ニューヨーク、ロンドンなど世界各地で撮影された風景など、ウェス・アンダーソン監督風の世界観をまとった動画が次々と投稿されている。

@irinahp My little Wes Anderson moment in the prettiest restaurant in Lisbon, Portugal 💛 It’s called Ponto Final and I totally recommend it 😉 #lisboaportugal #lisabon #traveltip ♬ Obituary – Alexandre Desplat
@twolostkids Sempre fingimos que estamos em um filme do Wes Anderson – Lost in Paris #wesanderson #shotoniphone ♬ Obituary – Alexandre Desplat
@lexibrownphoto Shot on Iphone 🎞️🤠 I had so much fun making this!! #shotoniphone #iphonefilmmaking #wesanderson#wesandersonaesthetic #photographer ♬ Obituary – Alexandre Desplat

日本では現在、ウェス・アンダーソン監督の映画のワンシーンを切り取ったような世界観を持つ300点余りの写真を展示する展覧会が開催中だ。ノスタルジックでフォトジェニックな写真を旅というテーマで紹介する写真展<ウェス・アンダーソンすぎる風景展>は、4月5日より5月26日まで東京・天王洲の寺田倉庫G1ビルで開催中。

また、ウェス・アンダーソン監督の待望の最新作『アステロイド・シティ(原題:Asteroid City)』は、2023年9月1日(金)より日本公開が決定している。

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