ケビン・ガーネット、ステフォン・マーブリー… NBA選手たちも愛用していた『AND1』シューズ

Netflixドキュメンタリー『Untold: AND1旋風と夢の跡』は、ストリートボールを世界に広めた功績を持つバスケットシューズブランド「AND1」の隆盛を描いている。

2000年代にはAND1が主催するバスケットボールイベント<AND1 MIXTAPE TOUR>がプロバスケチーム「TEAM AND1」を率いて世界中を熱狂させた。このイベントは日本でも開催され、ファンを喜ばせてくれた。そんなAND1といえば当時としては先進的なデザインのシューズが人気を博し、AND1の選手たちのみならずNBA選手たちも愛用していた。今回はそんなAND1シューズの歴史を振り返ってみたい。

AND1 Marbury(マーブリー)/ Coney Island Classic(コニー アイランド クラシック)

AND1初の契約選手となったStephon Marbury(ステフォン・マーブリー)のシグネチャーシューズ。NIKEのジョーダンに対抗すべく、AND1がNBA進出のパートナーとして選んだのがマーブリーだった。NBAデビュー前の選手と契約することは当時異例だったが、マーブリーはAND1のブランドイメージと同じくニューヨーク/コニーアイランドのストリートでも名を轟かせるボーラーだった。このシューズにはAND1のユニークなブランドロゴ“The Player”がデザインされ、ストリートの環境にも耐えうる耐久性も併せ持ったシューズである。

AND1 Spree Mid(スプリーミッド)

「スプリーミッド」は、ゴールデンステイト・ウォリアーズ、ニューヨーク・ニックス、ミネソタ・ティンバーウルブズで活躍したLatrell Sprewell(ラトレル・スプリーウェル)のシグネチャー。スプリーウェルはそのヤンチャな見た目と思い切りのいいプレイで、日本にも多くのファンがいた選手だ。このスプリーミッドは同社のハーモニックス・クッショニング・システムを初めて見えるように搭載した高機能シューズ。スプリーウェル最大の武器であるスピード感あふれるランニングプレイに非常に合ったシューズとも言える。デザインは流線型が特徴で、まるでスーパーカーのような見た目がインパクト大である。

AND1 KG 2(ケージー2)

“Mr. Everything”ことKevin Garnett(ケビン・ガーネット)もAND1と契約していた時代があった。高卒→NBAの道を開いた先駆者であり、211cm(一時期は218cmあるとも噂されたほど)の高身長ながらガードまでこなせたNBA史上最もオールラウンドな才能を持った選手だ。「KG 2」はガーネットのシグネチャーシューズ第2弾で、MJ最後のオールスターでもある2003年のオールスターゲームでガーネットが着用し、MVPを獲得したことを覚えている方も多いだろう。デザインはこのあと紹介する「タイチミッド」にも似たような形で、シンプルながら洗練されており、ガーネットのスタイルに非常に合っている。

AND1 Tai Chi Mid(タイチミッド)

「タイチミッド」は、AND1最大のヒット作であり、バスケットシューズ史上でも評価の高い一足だ。“Tai chi”とは中国の太極拳を意味し、陰と陽をイメージしたデザインとなっている。実際に横から見ると異なるシューズを履いているように見えるのが特徴だ。また、そのデザイン性だけにとどまらず、機能性も高いため2000年代の多くのプレイヤーに愛されてきた。この「タイチミッド」が一躍注目されたのは伝説となった2000年のNBAスラムダンクコンテストでビンス・カーターが着用したことによる。ちなみにこの時、カーターはノーギャラで着用したそうで、AND1にとっては非常に嬉しい誤算だったという。

代表的なAND1のシューズをいくつか紹介したが、他にも「Quest Mid(クエストミッド)」などの名作が揃っている。現在もトロント・ラプターズのFred VanVleet(フレッド・バンブリート)やクリッパーズのNorman Powell(ノーマン・パウエル)らが着用しており、“夢の跡”となった現在も根強いファンを抱えているのだ。

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