2008年に中国・北京で行われたオリンピックがまだ記憶に新しいという人も多いだろう。そこで、バスケットアメリカ代表はかつてないプレッシャーを抱えて戦っていた。その前の4年間、アメリカが主要な世界大会でタイトルを穫ることがなかったのだ。そのため、絶対にこの北京五輪では金メダルを取らなければならなかった。そのため、当時のアメリカ代表は“Redeem Team(リディームチーム:(王者)奪還をミッションとしたチーム)”と呼ばれた。
そもそも米国バスケ代表といえば、“世界最強チーム”という印象ではないだろうか? NBAのスーパースター達が揃い、世界を圧倒した1992年の“ドリームチーム”を筆頭に、常勝軍団のイメージが非常に強い。しかし、そんな米国代表にも敗北の歴史がある。それは1972年のミュンヘン五輪(ソ連に屈した)、1988年のソウル五輪(ソ連に屈した)、2004年のアテネ五輪(アルゼンチンに屈した)である。未だに史上最強と呼ばれる“初代ドリームチーム(1992年)”も、実は1988年の敗北から生まれたチームだ。それまでプロ選手が出場できないなか、大学生中心の代表は当時の世界最強センター、アルビダス・サボニスらを擁するソ連に負けた。世界のレベルは徐々に上がり、学生チームでは世界で勝てなくなっていたのだ。また、そのタイミングでちょうどプロ選手の参加が可能となり、初代ドリームチームが結成されたのだ。
しかしリディームチーム結成の理由と当時の状況は、もっと深刻であった。2004年にアルゼンチンに準決勝で負け、屈辱の銅メダル。さらに2006年に日本で開催されたFIBA世界選手権でもギリシャに負けて3位に終わるという史上初の2連敗を喫したのだ。世界のバスケレベルはさらに上がり、各国“打倒アメリカ”を命題に若く優秀な選手を集めて英才教育を施し、代表選手に鍛え上げる。そして、10年以上同じ選手で戦いチームワークを強固なものにしていった。つまり、アメリカもただNBAのスター選手を集めただけでは勝てなくなっていたのだ。
そんな状況を打破すべく、コーチに就任した米カレッジバスケ界最高のコーチのひとり、“コーチK”ことマイク・シャシェフスキーはNBAのスーパースターたちに「3年は代表を続ける覚悟を持って欲しい」と説得し、初代ドリームチームにも見劣りしない“最強”のプレイヤーたちが集まった。こうしてNBAのスターたちは限りある時間のなか1カ月間のホテル合宿などでチームの完成度を上げていった。親善試合などでもどんどんと結果は実り、ついには北京五輪を迎えることになる。
予選リーグを危なげなく全勝で終えたアメリカの決勝トーナメントが始まる。準々決勝のオーストラリア戦を問題なく勝ち上がったアメリカは、2004年アテネで負けた”因縁”のアルゼンチンと激突。2004年当時は若手としてなにが起きたのかわからぬまま試合が終わったレブロン、ウェイドらはこの時を待ち望んでいた。試合序盤から相手エースのジノビリを徹底的に封じ、大量リードを奪う。途中、数点差の接戦になるなど危うい場面もあったが、最終的には20点差での勝利で4年前の雪辱を果たした。
そして、決勝はやはりスペインが立ちはだかる。NBAでもトップセンターとして君臨するパウとマークのガソル兄弟を中心に、NBA選手を中心に構成されたスペインは世界2位の強敵だ。試合は常に10点差以内の接戦に。レブロン・ジェームズ、コービー・ブライアントらの序盤でのファウルトラブル、スペインの抜群のチームプレイとタフさに厳しい戦いを繰り広げたが、怪我明けでオリンピック出場も危ぶまれたドウェイン・ウェイドの活躍。そして、コービーが試合終盤に見せた「世界最高のプレイが繰り広げられていた」とも称される圧巻のプレイでリードを守りきり、ついに金メダルを奪還。バスケ大国のプライドを取り戻した。ロッカールームに戻ったチームUSAは、バスケ大国アメリカとは思えないほどの喜びようであった。それは彼らへかかっていたプレッシャーの大きさ、そして非常に厳しく長い道のりであったことを物語っていた。
チームUSAの逆襲を追ったドキュメンタリー『リディームチーム:王座奪還への道』はNetflixで独占配信中。
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