凄いアクション×ゆるいギャグ。昔の香港映画の匂いをさせたかった|『燃えよデブゴン/TOKYO MISSION』谷垣健治 #1

“銀河系最強の男”ドニー・イェンが『燃えよデブゴン』の名を冠したアクショ ンコメディに挑戦!メガホンを取ったのは、日本が世界に誇るアクション監督・谷垣健治!!現代アクション映画シーンの最高最強タッグが贈る映画『燃えよデブゴン/TOKYO MISSION』が遂に日本上陸。世界の全アクション映画 ファンが心待ちにしていた中、2021年1月1日公開決定。正月から景気がいいぞ!超多忙の中、谷垣監督がインタビューに応じてくれた。

―大いに燃えて、笑わせていただきました。

そんなに笑ってもらうつもりっていうか……(笑)、まあアクションはちゃんとしようと思いましたけど。小ネタもいろいろね。

―我々世代が観ていた往年の香港映画の“あのノリ”が懐かしいなと。

それはよかったです!往年の香港映画みたいだとはすごく言われるんでね。アクションコメディって香港映画では代表的なジャンルだったのに、もう無く なってしまったじゃないですか、香港では。 だからそのちょっとした匂いというかね、『悪漢探偵』(1982)とか「五福星」(1984)みたいな、そういう、すごいアクションとゆるいギャグが同居している映画にしたいなって。まあ、簡単に言えば“太った男が東京に行って悪い奴をやっつける”っていう話です(笑)。

―オリジナルの『デブゴン』から拝借した部分はないんですよね?

その、ブルース・リーへの「ドラゴン愛」ですかね・・・。ていうか、そもそもオリジナルを観直してないですし、観直すようなストーリーでもない (笑)。肝心なのはスピリッツですから!もともとは6年ぐらい前に、太ったドニーと痩せたドニーのCMを監督したことがあって。それを見たウィルソン・イップ(『イップ・マン』シリーズ等の監督)がドニーとメシ食った時に、「あのキャラ面白いじゃん!」って言ったんですよ、実に無責任に(笑)。それでドニーが「じゃあ、なんか考えてみるか!」ってなって。

―さすがの無茶振りですね(笑)

ドニーが「太った奴が少林寺へ行って悪い奴やっつける」「太った奴が東京行って悪い奴やっつける」とか例をあげるんだけど、主語述語は全部同じで (笑)。でもぶっちゃけ、昔の香港映画とかってほぼ同じ話じゃないですか。カンフー映画なんて復讐の話だから、同じような話をもう何千回も作ってるわけです。だから“太った人が、遠く離れた土地へ行って、悪い人をやっつける”っていうフォーミュラがあって(笑)、そこに当てはめました。

―現在の香港では、もうほとんどアクションコメディは作られていないんですか?

ないですねぇ。まずアクションの撮り手がいないのと、アクションのやり手とかアクションスターみたいな存在がいないじゃないですか。そういう意味で は、ちょっとしたアクションやコメディみたいなものは日本と同じくあるには あるけど、本格的なものはもうないですよね。
僕らの時代は、現場的にも香港よりも中国に仕事をしに行くことがすごく多くなって。この『燃えよデブゴン』と『スーパーティーチャー 熱血格闘』(2018)は、ひさしぶりに連続して香港での仕事だったんですよ。だから楽しかったですね。香港でやって、日本でやって、また中国行って、あそこにセットを建てて……。

―本作の歌舞伎町や東京タワーのようなセットが凄かったです!めちゃくちゃリアルでした。

なんちゃって歌舞伎町(笑)。あれは中国の深圳に作ったんです。東京タワーも歌舞伎町のセットの隣に東京タワーの一部を作りました。グリーンバックで。築地のシーンは日本の成田市場でのロケですね。
中国と日本で撮影したんですけど、キャストがいつの間にか日本と香港の役者だけという状態になってて、途中から中国政府の検閲で「お前ら、これ中国映画じゃないだろ!」って言われてしまいました。このままでは中国映画としての公開はできないと。スクリーンクォーター制ってやつですね。だって、中国人キャストといえば子役のChaney Linしかいないんですから(笑)。あとは撮影スタッフも石坂(拓郎:撮影監督)さんはじめとする撮影部や照明部、アクションチームも日本人。だから中国ロケになった瞬間に、撮影・照明スタッフは中国人に変えざるを得なかったんですよ、それでなんとか中国映画として認められて。

でもね・・・本当に大変でした!本編の撮影が終わってからも4回くらい追撮したんです、撮り残した部分があって。竹中さんの最後のシーンだったんだけど、追撮の追撮なので「もうお金がない」と言われて、しょうがないから同じ会社で撮っていた映画の現場へ僕と助監督ともう一人で行って。その現場の機 材とスタッフを借りて、助監督が竹中さんの衣装を着てカツラをかぶって撮ってくるっていうね(笑)。 デイ(昼)のシーンが終わる頃になって、「ちょっと待って!ナイター(夜) の準備して。ワンカットだけ撮らせて!!」って。みんな呆れてたけど「まあ、 ケンジだからしょうがねえなあ」と準備してくれました。快く残業してくれたスタッフに感謝です(笑)。

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『燃えよデブゴン/TOKYO MISSION』は2021年1月1日(金)よりTOHOシネマズ日比谷他全国公開

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