“歴代最高シューター”ステフィン・カリーに不可能はない

NBAファイナル2022で死闘を繰り広げたゴールデンステイト・ウォリアーズとボストン・セルティックスが2023年1月19日に再び相まみえた。昨シーズンの雪辱を果たすべく現在NBAトップを走るセルティックスの本拠地TDガーデンで行われたこの試合。勝率5割程度といまいち波に乗れないウォリアーズが奮闘し、白熱の展開に。なんと前半だけで10回もリードが入れ替わる熱戦となった。

その中でも最も大きく観衆たちが声を挙げたのが、“史上最高のシューター”ことステフィン・カリーが魅せたスーパープレイ。ハーフコートより後ろからの超長距離ブザービーターショットだった。

前半残り約5秒、セルティックスのエース、ジェイソン・テイタムがスティールから速攻を狙う場面。テイタムが左→右のクロスオーバーで抜き去ろうとしたところ、カリーが綺麗にボールだけをスティール。こぼれ球を拾ったカリーだったが残り時間はわずか1秒。“即シュート”以外の選択肢はなかった。

“史上最高のシューター”の手から放たれたショットは、きれいな弧を描きグングンとリングに近づく。そして、前半終了を知らせるブザーが鳴り響いたとき、「ザシュッ」というゴールネットのスウッシュ音とともに対戦相手であるセルツファンの悲鳴と驚きが混ざった声があがる中、カリーは「どうだ見たか!」と言わんばかりの顔でロッカーへと戻っていた。

今回のプレイのように、NBA選手にとっても3Pラインよりかなり遠く離れたショットは偶然を祈るしかない。しかし、カリーにとってはいつも練習しているシュート。つまり狙って決められる範囲なのだ。

(※試合前の練習ルーティーン。近い距離→遠い距離→近い距離とシュートを打って、感覚の調整を行っている)

その証拠にカリーがこれまでに決めてきた45フィート超(約13.5メートル。今回は46フィート)のシュート成功数は5回。これはNBAが統計を取り始めた1996-97シーズンからの記録によると、“天才ハンドラー”のジャマール・クロフォードとグリズリーズ初の永久欠番選手ザック・ランドルフに並ぶ最高記録だという。

3Pに関するあらゆるシュート記録を塗り替えているステフィン・カリー。彼に不可能なシュートはないのだろうか?

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