ヒップホップ業界のみならず近年ではビジネスマンとしても辣腕を発揮し、多方面からの注目が集まる人気アーティスト、Snoop Dogg(スヌープ・ドッグ)が、昨年買収した音楽レーベル「Death Row Records(デス・ロウ・レコード)」の音楽カタログを“復活”させるようとしているようだ。
かねてより「金」絡みのトラブルや疑惑がしばしば取り沙汰されるなど、お世辞にも業界内の評判は良いとはいえなかった「Death Row Records」。そんな同レーベルが創立30周年を迎えた昨年2月、スヌープはまさかの買収計画を実行した。スヌープは、名盤の呼び声高い『Doggystyle』を同レーベルから出すなど、浅からぬ縁を持っているため、現状、死に体だろうと、同レーベルを買収し、自ら運営するという決断は理解できなくはない。
そうした背景も手伝って、買収の報がもたらされるや、界隈のファンたちの中にはスヌープ率いる“新生デス・ロウ”がどのような形となっていくのか注目する向きも少なくなかったが、そうした注目が集まる中で、新代表となったスヌープがとったのは、同レーベルから出ている楽曲を、ストリーミング配信から外すという、ある意味、斜め上を行く策だった。なにせ前出の『Doggystyle』に加え、2Pac(2パック)の『All Eyez On Me』など、それこそヒップホップ史にその名を刻む普及の名作さえも、ネット上の配信ラインナップからその名を消すこととなったからだ。
しかし、当然こうしたスヌープの決定は、すぐさまファンからの悲痛な叫び声を生むこととなる。事実、スヌープ自身も先日出された声明の中で、ほぼ1年前に行ったデス・ロウ楽曲の“ストリーミング削除”騒動の後から、懇願にも近い悲痛な声が相次いでいるようで「“(復活を)求められない日はない”ほどだ」と認めている。そうした意味でいえば、今回の“復活”の背景には、こうしたファンからの声が届いたともいえるだろう。
スヌープによると『Doggystyle』や『All Eyez On Me』といった名盤中の名盤については、「本当にすぐにストリーミングサービスに復活させる」そうで、音楽配信サービスの「SoundOn」との契約を締結したという。「SoundOn」は、「TikTok」が提供する比較的新しい配信サービス。スヌープは、若い世代を中心に急速に勢いを増し続けている「TikTok」にデス・ロウの楽曲を持ち込むことで、本当の意味での“新生デス・ロウ”としての第一歩を踏み出そうとしているようだ。
「TikTok」上では、ユーザーによる投稿動画のBGMとして既に様々な楽曲が提供されており、近年ではここでの人気を元に、「TikTok」外へと広がる巨大なブームが生まれるケースも決して珍しくはなくなっている。こうした点に、“ビジネスマン”としてのスヌープの才覚を垣間見ることができるだろうし、ここからの復活劇を思い描きながら、彼が一度ストリーミングから楽曲を引き上げさせていたのであれば、なかなかのものである。
ちなみに、まったくの余談ではあるが、「SoundOn」での楽曲配信は、レーベル側にとって“金がいい”というメリットがある。多くの先行配信サービスでは、楽曲の配信に際して、事実上の手数料にあたるフィーを何らかの形で徴収し、それも決して馬鹿にならないレベルなのが実情だ。しかし「SoundOn」は、サービス開始早々よりアーティストから配信のための取引手数料などを徴収しないことを明言していた。“優れたビジネスマン”であるスヌープが「SoundOn」を選んだのはこうした点も関係しているのかもしれない。
スヌープは先日開催した「第57回スーパーボウル」でSketchers(スケッチャーズ)のCMに登場するなど相変わらずの人気ぶりも見せてくれている。
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