坂本龍一が自らの葬儀で流すために作成、編集したプレイリスト『funeral』

坂本龍一が、自身の葬儀で流すために用意したというプレイリスト「funeral」が公開された。

今年3月28日、日本が世界に誇る偉大な音楽家・坂本龍一が他界した。71歳だった。坂本は、1970年代後半からイエロー・マジック・オーケストラ(YMO)での活動をとおしてテクノポップブームの中心的な存在として活躍すると、クリスマスのスタンダード曲「Merry Christmas Mr.Lawrence」でも知られる『戦場のメリークリスマス』(1983年)をきっかけに映画音楽で世界的に高い評価を受け、『ラストエンペラー』(1987年)で日本人として初めてアカデミー賞作曲賞を受賞(坂本は両作品とも俳優としても出演した)。

その後も多数の映画音楽を手掛けながら、並行してソロ活動、多方面のアーティストとコラボレーションを行うなど、名実ともに日本を代表する唯一無二の世界的音楽家として生涯数多くの作品をプロデュースした。

晩年は病と闘いながらも活動を続け、最期の日々も自宅のスタジオで過ごし、音楽を作り続けていた。こうした日々の中で発表されたのが、1月にリリースされたアルバム『12』である。大手術の末、ただ「音」を浴びることによって体と心のダメージが少し癒される気がしたという坂本。最初の音も決めずに録音ボタンを押して、いきなりシンセサイザーやピアノを触ってみる……。まるで“日記を書くように”、または“スケッチを描くように”録音を行ったという。

そして最後のアルバムリリースから約2カ月、坂本は数々の名曲を残して故人となった。今回マネジメントにより公開されたプレイリストには、“funeral(葬儀)”という簡潔なタイトルが付けられている。

坂本に影響を与えたさまざまな作曲家たちの楽曲で構成されたプレイリストは、コラボレーターの1人であるAlva Noto(アルヴァ・ノト)の11分に及ぶエレクトロニックミュージック「Haliod Xerrox Copy 3 (Paris)」で始まり、バッハやドビュッシーなどのクラシック曲が並ぶ。さらに、映画音楽の巨匠Ennio Morricone(エンニオ・モリコーネ)やNino Rota(ニーノ・ロータ)、元JAPANのDavid Sylvian(デヴィッド・シルヴィアン)、武満徹などが加わり、33曲のプレイリストの最後はLaurel Halo(ローレル・ヘイロー)が2020年に発表した「Breath」が選曲されている。

プレイリストの公開にあたり、マネジメントからは次のメッセージが綴られている。

私たちは、龍一が自分の葬儀で流すために個人的にまとめていたプレイリストを、彼の死に伴い共有したいと思います。彼は本当に最後の最後まで音楽とともにありました。

またプレイリストの最初にリストアップされた盟友のアルヴァ・ノトは、坂本の死を次のように悼んでいた。

RYUICHi
私はあなたがもうこの世にいないことを寂しく思う。深い空白が残された、今の状況を理解できないでいる。彼の親しい友人と家族全員に深い哀悼の意を表します。

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