あれは神がかったジャッジメントムービー|Ninja We Made It. インタビュー#2

「Project2」のテーマである“Healthy Junk”の精神をもとに、ゲストに潜む相対する中身、二面性にフィーチャーしていくインタビュー企画。今回は、YouTubeから活動の場を広げ、いまや飛ぶ鳥を落とす勢いのクリエイティブ集団「Ninja We Made It.」から、zakeru、SLIM、SlowBoYyの3人をゲストに迎える。

結成にまつわる話やバズった理由について解説してもらったパート1に続き、今回は転機となった動画とその撮影秘話について深掘りして話を聞いた。

『ノッたら負け』は人生を一変させた激アツ動画

――動画を投稿するなかで、最初はそんなに再生回数がいかないと思います。何本かアップしていくうちに「キタ!」って感じた、きっかけの動画はあったりするんでしょうか?

zakeru:これはあります。YouTubeを始めて2か月くらいでアップした『ノッたら負け』という動画ですね。

――人気コンテンツですね。

zakeru:アメリカとか海外で流行っていて、それを日本語のラップとか、自分たちの曲でやってみようという企画だったんですけど。企画自体は簡単で、ドライブ中に音楽を流して、それにノらない。音楽を聴いていたらノッちゃうじゃないですか。

――絶対ノッちゃいますよね。

zakeru:そうなんです。それを我慢して、ノッたらダメという企画なんです。それまで本当にメッチャ伸び悩んでいて、この動画を最後にYouTubeを1回ストップしようかっていうぐらいで、そういうタイミングの動画だったんです。そのとき、とある事務所さんから「一緒にやらないか」って声がかかっていまして、とりあえずその動画だけ撮ってあるので「これだけ出していいですか?」って、その『ノッたら負け』を出したんです。それまでの平均再生数は400とか500とかで、登録者数も3,000人いかないぐらいだったんですけど、5日ぐらい経つと再生数が5,000になっていたんです。

――すごい!

zakeru:「え!? なんか様子おかしくない?」みたいな。1週間ぐらい経つと1万再生になってて、「ヤバ、なにかが起きてる」ってなって。声をかけてくれた事務所さんからは「YouTubeストップしよう」と言われていたので、このままYouTubeを続けるか、YouTubeをやめてとりあえずそっちのほうに行くか、けっこう究極の選択をせまられていたんです。そのタイミングでラストのつもりだった動画が伸びちゃっているから、自分たちも期待しちゃって。すげえ迷って、「どうする? どうする?」となって、「いや、もうちょっと俺たちで頑張ってみようぜ」となって、「もうちょっとYouTube頑張ります」と言って、そっちの事務所さんのほうを断らせていただいて。それでしばらくしたら、10万とか。

――10万再生まではどのくらいの期間でした?

zakeru:メッチャ早かったです。倍になり、また倍になるみたいな。そういう感じで増えていって、登録者数もメチャクチャ増えて。その動画がきっかけで前の動画の再生数も伸びていって。ヒップホップというコンテンツの一貫性を大事にしているので、ヒップホップ好きな人がバーッと観てくれて、登録者数も増えて。半年で1万人を目標に頑張ろうとやっていたんですけど達成できて。そこからYouTubeもけっこういい感じになって、1年で10万人って増えていきました。

――すごい!

zakeru:『ノッたら負け』が運命の動画でしたね。本当にあれは神がかったジャッジメントムービーだったんです。

YouTubeとTikTokの相乗効果でブースト

SLIM:俺らも別に「これをバズらせよう」みたいな感じで投稿したわけじゃなくて。だから、運命というか、俺らにバッチリハマったんだなという感じはありました。あの撮影の当日は、本当は別の動画を撮影する予定だったんですけど、天気が悪くて雨降っちゃって。外で撮影できないから帰りの車で「じゃあとりあえずこれ撮るか」って撮った動画で。人生のターニングポイントでした(笑)

――YouTubeもそうですが、TikTokでもバズってますね。

zakeru:最近の流れで言うとTikTokでバズってYouTubeに流れるみたいなのがあると思うんですけど、当時の自分たちはめずらしく、YouTubeがバズってもTikTokはあまりやってなかったんです。TikTokはあまり勉強していなかったというか、あまり視野に入れていなくて。YouTubeでいい感じに伸びてきたんですけど、ちょっと伸び悩んで「どうしようかな」となったときに、SlowBoYyが自分たちの人気コンテンツを切り抜きでTikTokにのっけてくれたんです。そうしたらそれがメチャクチャまたバズって。そこからTikTokのフォロワーが増えて、またさらにTikTokからYouTubeに流れてくるっていうのがきて。相乗効果でブーストみたいな感じです。

――入りがYouTubeの方もいれば、TikTokの方もいて。

zakeru:そうです。けっこうTikTokをやり始めたのは遅かったです。実は「TikTokやりたくねえな」みたいなのがあって。いま考えると普通にバカなんですけど、そういうのがあって。それでまあ「使えるものは使うっしょ」みたいな感じでやって、そこからちゃんとやりましたね。

次回のパート3では好きなアーティストなど、それぞれのパーソナルな部分に迫る。

まだまだこれからイカせていただきたいんです|Ninja We Made It. インタビュー#1

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