NCAA女子バスケで“ある行為”がSNSで炎上 しかし、シャック、レブロンら有名選手たちが援護射撃

4月2日に開催されたNCAA女子バスケットボールトーナメント決勝。ルイジアナ州立大学(LSU/愛称:タイガース)vsアイオワ大学(愛称:ホーキーズ)の対戦となり、全米屈指のフォワードのAngel Reese(エンジェル・リース/LSUタイガース所属)と“女性版ステフィン・カリー”とも評されるCaitlin Clark(ケイトリン・クラーク/アイオワ大ホーキーズ所属)の直接対決にも注目が集まった。

試合はリースのダブルダブルを含むオールラウンドな活躍(15pt|10reb|5ast|3stl)で所属のLSUタイガースを、史上初の全米チャンピオンに導いた。しかし、その一方で彼女の“ある行動”がソーシャルメディア上で物議を醸した。

「You can’t see me(私を止められない)」

これはWWEスーパースターのJohn Cena(ジョン・シナ)が使っていたパフォーマンスとして有名。バスケットの試合中にもよく見られ、日本のストリートボールシーンでも使われるほど浸透している。自らの活躍を称え、相手の競争心を駆り立てるこういったパフォーマンスはよく行われるが、リースに対して多くのTwitterユーザーから「品がない」と非難の声が挙がったのだ。

しかし、リースからすると「まずクラークが先に仕掛けてきたからこそのパフォーマンスだった」とネットの意見を一蹴。「クラークはとんでもない選手だが、無礼な振る舞いは別の話。彼女は(チームメイトの)アレクシスと私達を軽んじた。はじめはそのことをそっと胸にしまおうと思ったけど、試合の終わりに一瞬“フッ”と思い出してしまったの」と主張した。

上記に加え、「なぜ他の選手が同じことを行ったときは問題ないのか」と疑問も呈した。彼女が言及したのは、まさにこのパフォーマンスを放った相手でもある白人のクラークに対してだ。クラークも今大会で同様のパフォーマンスを行っていたのだ。

この事件は米国のスポーツ界にも瞬く間に広まった。そして多くの著名人がこの事件に関して、「人種が関係しているのではないか」と疑問を投げかけている。元NFLプレイヤーのRyan Clark(ライアン・クラーク)は、「ケイトリン・クラークの“You can’t see me”セレブレーションは競争心があり、燃えるようで、情熱的だと賞賛する。同じことをエンジェル・リースが行うと批判する。これは我々がよく知っている出来事だよね!」とツイート。

また翌日(4月3日)の「Undisputed」のコーナーでは、元NFL選手のShannon Sharpe(シャノン・シャープ)は「ケイトリン・クラークがやったときはイケてると言って、エンジェル・リースがやると品がないと。これは人種差別以外の何ものでもないということがよくわかる」とコメントし、リースを擁護した。

そして、バスケット界の“先輩”たちも続々と参戦。NBAのレジェンド選手で、リースと同じくLSU出身のレジェンド・Shaquille O’Neal(シャキール・オニール)は、ポッドキャスト「COUNTDOWN」のKeith Olbermann(キース・オルバーマン)が述べたコメント「なんてバカな行いだ」に対し、「お前こそ、そのバカな口を閉じろ。エンジェル・リースに構うな」と短くストレートに反論。

また、NBA歴代通算得点1位に輝いたLeBron James(レブロン・ジェームズ)は、「エンジェル・リースがNCAA優勝後に全アンチにやったこと」というツイートに対して、「まさにそう! これ好きだわ」と、リースの活躍はどうやっても揺るがないものであると称賛を加えた。

こんな出来事とは別に、今シーズンのリースはまさに“無双”状態。この試合で34回目のダブルダブル(※得点、アシスト、リバウンドなどの主要項目のうち2つで2桁を記録する指標)という偉業を達成。NCAAの1シーズンダブルダブル記録を更新し、現NCAA No.1プレイヤーであることを証明するシーズンとなった。

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