1992年から1995年まで、都会から遠く離れたインディアナの刑務所に収監されていたマイク・タイソン。その間多くの有名人が面会に訪れたというが、中でも印象に残っているのは2パックこと故トゥパック・シャクールの訪問だったそうだ。
当時シーンに台頭していた若き2パックとの思い出を、「REVOLT」の公開トーク番組で語った。
「あの時は本当にいろんな人が会いに来てくれた。B.B.キング、ジェームズ・ブラウン、ホイットニー・ヒューストン……全員の名前を挙げるのも大変なくらいさ。そんなある日、2パックの母親から電話がかかってきたんだ。息子を通じて俺の連絡先を知っていると言う。2パックは以前オレとクラブで出会っていたんだが、今俺に会いたがっている、とのことだった。俺は『もちろんいいよ』って答えたよ」
そして、後日刑務所の面会にやってきた2パックだったが、本人の印象もさることながら、迎える囚人たちの雰囲気が特別だったことを記憶しているという。
「そのムショはマジに荒っぽい奴らばかりでさ。でも2パックが部屋に入ってくるや否や、そいつら全員拍手して敬意を見せたんだ。みんな彼を心からリスペクトしてたんだ。
元々タイソンと2パックとの出会いは、この面会の半年前のハリウッド・パラディウムでの試合後のアフターパーティだったという。会場の外にファンの若者が一人いるのを見つけたタイソンが「いいよ入れよ」と招き入れると、50人ほどの仲間を引き連れて裏口から入場してきたが、2パックはその中の一人だった。パーティが進むと、いつの間にかステージ上でラップしていたそうだ。2パックも名を上げようとしていた真っ最中だったのだろう。
しかしその後の、ノトーリアスBIGとのビーフを「いずれ悪い結末を迎えるだろうと思って見ていた」とを回想するタイソン。ヒップホップ黎明期からシーンを見ていた彼にとっても、2パックとビギーが辿った運命はあまりに悲しく、残念なものだったのだろう。しかし、両者が遺した功績と遺産、ヒップホップへの貢献の大きさは誰もが認めるところ。タイソンはビギーと2パック、そしてヒップホップカルチャーについての話題をこう締め括った。
「それでもヒップホップは俺たちの、みんなの音楽になったよね。それは新しい人種、新しい人格、新しい時代を生み出したんだ」と語り始める。「それはマイク・タイソンもそうだったのでは?」と問われるも「いや、俺だけじゃないさ」と観客に指を向ける。「彼も、君もそうだよ。俺だけってわけはないさ」と否定したのだった。
この企画ではブラックカルチャーの歴史、人権、アフリカン・アメリカンであることの素晴らしさと苦しみ、黒人のLGBTQ問題など多岐にわたる会話が繰り広げられたが、2パックとヒップホップについて語られたこの一幕にも、実に多くの拍手が上がっていた。1971年6月16日生まれ、2パックことトゥパック・シャクール。今もなお語り継がれる褪せない伝説である。
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