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Quavo(Migos)、Takeoffをトリビュートするフーディーを発表 収益は全額寄付

昨年11月、28歳の若さで亡くなったMigos（ミーゴス）のTakeoff（テイクオフ）へのトリビュートを続けているQuavo（クエイヴォ）が、今年に入ってリリースされたトリビュート・ソング「Without You」に続いて、今度はスポーツ・アパレル・ブランド「Legends（レジェンズ）」とコラボした新作フーディー「Rocket Fairfax Hoodie（ロケット・フェアファックス・フーディー）」を発表。ミーゴスの亡き同僚を引き続き偲んでいる。

フーディーは1着140ドルで販売され、売上は全てテイクオフの死後に家族たちが立ち上げた財団「The Rocket Foundation」に贈られるということだ。財団はすでにいくつかの慈善団体に大々的な出資を行っており、財団の目的を「アトランタでの暴力犯罪への対策、若者に人生の選択肢を与えること、そして日常的な暴力に対し、地域のリーダーたちが積極的に対策へ取り組む基盤を作ることです」とクエイヴォは説明している。今回のフーディーの販売も全額寄付ということで、ビジネスではなく地域社会の安全と向上のために用いられる。

テイクオフは昨年11月、地元のボウリング場でゲームに興じている最中、その場にいた犯人と口論になり銃撃に発展、頭部を撃たれて逝去している。生前、ソロ・アルバム『The Last Rocket』をリリースして、それ以降はクエイヴォとのデュオ体制で音楽制作を行っていたこともあって、とりわけ二人の関係性は深い。年齢は近く、親戚であり、仕事のパートナーでもあり、兄弟のような間柄だったからだ。レーベル側によると銃撃はテイクオフを狙ったものではなく、運悪く被弾してしまったのだという説明だが、叔父にあたるクエイヴォも現場に居合わせており、この悲劇を止められなかった責任を感じているのだろう。このような暴力事件を減らすため、テイクオフの悲劇を無駄にしないために、慈善活動を展開しているのだ。

テイクオフ、Offset（オフセット）、クエイヴォによるミーゴスは、2013年頃シーンに登場して以来、その独特のラップスタイルで後のヒップホップシーンに多大な影響を与えてきた。そのためテイクオフというスーパースターの喪失は衝撃と悲しみで受け止められ、Gucci Mane（グッチ・メイン）ら地元アトランタ出身ラッパーの多くが哀悼を表明した。またNBAのスーパースター、LeBron James（レブロン・ジェームズ）も一時SNSのプロフィール画像をテイクオフの写真に変え、数日後の試合前にはテイクオフのファッションに倣ってスーツにチェーンという出で立ちで登場することで追悼の意を捧げた。他にもアメフトチーム、アトランタ・ファルコンズも試合前に黙祷を捧げるなど、スポーツ界からもテイクオフの逝去を惜しむ声が上がっていた。地元の、特にブラック・アメリカンのコミュニティにとって、テイクオフの存在は大きかったのだ。

オフセットもちょうどフーディーの発表と同じ頃に、テイクオフ・トリビュートの新タトゥーを背中一面に彫ったことを公表したばかり。キャプションには「一生、そして死んでからも愛しているよ」と短く添えられている。

クエイヴォやオフセット、そしてアトランタの悲しみが癒えるには、まだまだ時間がかかりそうだが、テイクオフの死をきっかけに遺された者たちはフッド（様々な事情により治安の悪い地元）を少しずつ良い未来へと導こうとしている。アトランタ、そしてアメリカ中のフッドが安全で平和な街になることを願って、クエイヴォらの活動はまだまだ続いていくだろう。

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