韓国屈指のクリエイターチームが贈る近距離恋愛群像劇『なまず』

第23回釜山国際映画4部門受賞、第44回ソウル独立映画祭観客賞受賞、第14回大阪アジアン映画祭グランプリをはじめ、第48回ロッテルダム国際映画祭、第37回ミュンヘン国際映画祭、第18回ニューヨークアジア映画祭、第21回台北映画祭など、海外の映画祭でも新しい才能として注目を浴びた韓国映画『なまず』が、7月29日(金)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開される。

本作は、信頼と不信という普遍的なテーマを軸に、主人公・ユニョンの半径0.5メートルで起こるハプニング、恋愛、決断といった、いくつかのエピソードがテンポ良く繋がり合い、心にぐっと刺さるセリフとカラフルで遊び心いっぱいの映像で紡がれる、近距離恋愛群像劇。

監督は、これまで短編作品を多く発表し、独自のユーモアとセンス溢れる作風で、インディーズ映画界のニューウェーブとして以前から韓国で注目されていたイ・オクソプ。本作は、彼女の長編監督デビュー作であり、日本でも大ヒットした『はちどり』(18)と並び、韓国内でファングループが誕生するほど多くの共感を呼び、異例のロングランヒットを記録した話題作だ。

JAIHO公式/YouTube

今回公開された映像は、本作の舞台のひとつである病院での出来事を映したワンシーン。鮮やかな水色の壁が広がる一室で紫色の受話器コードが部屋の隅から隅まで伸びていくカットから始まる。受話器を持つのは副院長イ・ギョンジン(ムン・ソリ)。電話の相手に対し「欠勤の理由は?」と詰め寄っている様子を捉えている。「体調不良ですか」「お大事に」と返しているが、その表情からかなり怪しんでいる様子が分かる。そこに本作の主人公で看護師のヨ・ユニョン(イ・ジュヨン)がちらっと挨拶に入り、すぐにこっそりと出て行こうとする。実は前日ユニョンはイ副院長からある疑惑をかけられ自宅待機を命じられていたのだ。そんなユニョンを見つけ、「大変なことになった」と話すイ副院長。“大変なこと”とは何なのか?本編が気になる場面となっている。

ムン・ソリと言えば、現在日本でも公開中の映画『三姉妹』(20/イ・スンウォン監督)や、『オアシス』(02/イ・チャンドン監督)、『ハハハ』(10/ホン・サンス監督)、『お嬢さん』(16/パク・チャヌク監督)、『リトル・フォレスト 春夏秋冬』(18/イム・スルレ監督)など、数多くの作品で存在感を放つ、韓国を代表する名俳優であり、監督、プロデューサーとしても活動する大ベテラン。ムン・ソリとの共演についてイ・ジュヨンは「ムン・ソリ先輩が出演されると聞いて、『なまず』は私の人生でこれ以上ないチャンスだと思った。共演できて本当に光栄」と語っており、後輩からも慕われ尊敬されていることが分かる。

インディーズ映画である本作では、ダーツをしたり、ゴリラとCM撮りをしたりと、ベテラン俳優がどこか楽しんで演じているのが本編から見て取れる。このちょっとおかしな役柄もムン・ソリが演じるからこそ魅力に溢れているのも見どころだ。ムン・ソリが演じる“信じたくない副院長”という役柄について、イ・オクソプ監督は「愛らしい役にしたかった」と語っており、もともとムン・ソリのファンだったことも明かしている。

ムン・ソリ自身は「シナリオを見て魅了された。強く見えるけど、人を信じることが出来ない弱い人。信用が壊れた時、人の心がどのようになるのかが分かる人物」と分析し、「機会があればまたイ・オクソプ監督と一緒に仕事がしたい」と、新しい才能を称えた。

© 2018 2x19HD. All rights reserved

TAGS