視力を失ったクライマーとその相棒、想像だにしないクライミングに挑む ドキュメンタリー映画『ライフ・イズ・クライミング!』

世界選手権4連覇を成し遂げた視力を失ったクライマーとその相棒が、アメリカへ旅に出て、想像を超えるクライミングに挑むまでを描いたドキュメンタリー映画『ライフ・イズ・クライミング!』が、5月12日(金)より公開される。

視力を失ったクライマー・コバ(小林幸一郎)と、彼の視力となるサイトガイド・ナオヤ(鈴木直也)。ふたりの出会いは2001年。「右手、1時半、遠め。右、右、右!」、相棒・ナオヤの声を自分の目のように頼り、8の字結びのロープでつながり、命をゆだねて岩を登るクライマー・コバ。やがて彼らはパラクライミング世界選手権で4連覇を成し遂げ、2021年、ユタ州の大地に聳え立つ真っ赤な砂岩フィッシャー・タワーズの尖塔に立つことを目指し、アメリカへと旅に出る。

想像を超える大自然、何億年もかけて作り上げられたダイナミックな岩山の絶景、コバの人生を変えた恩人で、世界7大陸の最高峰を制覇した全盲クライマーエリック・ヴァイエンマイヤー氏との再会。そこには、とびきりポジティブな心と溢れる笑顔、そして、ゆるぎないふたりの絆があった。そして、旅の目的地、フィッシャー・タワーズへ。不思議な造形をした岩の尖塔に、視力を失ったクライマーが相棒の声だけを頼りに、一体どうやって登るのか?不可能とも思える無謀な挑戦にふたりが臨む。

監督は、本作が映画デビュー作品となる中原想吉。2016年にTV番組「ザ・ノンフィクション」でコバを密着取材。その後、再会を果たし、本作のメガホンをとることに。主題歌は、MONKEY MAJIKの「Amazing」。コバのクライミングに衝撃をうけ、映画をイメージして完成させた楽曲だという。

本作は、出演者、監督、音楽、すべてが見えないチカラに引き寄せられるように結び合って完成した。「フィッシャー・タワーズにコバちゃんを立たせたい」ナオヤの思いをきっかけに実現した冒険の旅。最強で最高のコンビが、登ること、生きることに挑む、まるで映画のような本当の話。

ナオヤと最初に出会ったのはもう20年ほど前、共通の友人の結婚式がアメリカ・コロラドで開かれ、同じクライマーだからとたまたま彼が私を空港に迎えに来てくれた時でした。その後も彼の誘いで、ヨーロッパやアジア、アメリカなどの岩場でクライミングをする旅に出たり、数々のクライミング大会に出場をしたり、と素晴らしい時間を共に過ごして来ました。そして今回も「連れて行ってみたい所があるんだけど・・・」と、いつものようにナオヤの言葉で始まった 私達2人の目の前に広がる日常を、中原監督が少しでも多くの方に届けようと作品にしてくれました。友と巡り合わせてくれたクライミングがどれほど自分たちの人生を豊かに彩ってくれていることか。50歳代も半ばに差し掛かり、視力も失った。 それでも上を見続け生きるって、旅するって、登り続けるって、最高!
(コバ/小林幸一郎)

「コバちゃん」こと小林幸一郎とクライミングの旅をしていると、彼が全盲であることを忘れる時があります。この映画は、そんなコバちゃんというクライマーと一緒に旅をしてクライミングをする、単に彼と一緒に登り、僕が思うクライミングの魅力をここアメリカで一緒に味わってもらいたい、ただそれだけの映画です。決して特別なクライミングでもないのですが、単純にクライミングが生活の一部として何気なく存在する、その一瞬一瞬を一緒に過ごしたかったのです。真っ赤な砂岩が美しいユタ州、そこにいつ崩れてもおかしくないタワーが無数にあり、その中の一つのタワーにコバちゃんを立たせ、どんなリアクションをするか見てみたい!ただシンプルにそれだけを思ってこの映画を中原監督に相談したことから始まりました。 涙、笑い、感動、全部入った映画だと思います!
(ナオヤ/鈴木直也)

ドキュメンタリー映画『ライフ・イズ・クライミング!』は、5月12日(金)より、新宿武蔵野館、シネスイッチ銀座、YEBISU GARDEN CINEMAほかにて全国公開される。

©︎Life Is Climbing 製作委員会

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