世界最高のトリック!?レティシア・ブフォーニ、「スカイダイビング・フィーブル」を決める

プロ・スケーター Leticia Bufoni(レティシア・ブフォーニ)は、世界で初めて飛行機から空の中へ“フィーブル”を決めた人間になった。文字通り“世界最高のトリック”を成功させたわけだが、どういうことなのかピンとこない人も多いだろう。

ならば言葉で説明するよりも見た方が早い、というわけで「Red Bull(レッドブル)」の企画で、世界初の規格外トリックに挑むレティシアの様子をご覧あれ。

「飛行機の中でスケートした初めての人間になったというのもなんだかすごいし、空の上から“フィーブル”で突入するなんて、もちろん初めて。飛行機の中でスケートしたことなんてないから、成功するかわかりませんでした。ただ飛行機を借りて、ランプを作って、ジャンプすればいいんだから『シンプルでしょ?』って思ってたんだけど、こんな大規模なプロジェクトになるなんて!」

見ての通り、飛行機の上からロールイン、“オリー”、そしてランプに“フィーブル”で入ってロールアウトではなく、そのままスカイダイビングに突入するレティシア。以前からスカイダイビングを楽しんでいた彼女は大好きなスケートとスカイダイビングを融合させることを思いついたのだとか。プロジェクトが発足したのは遡ること2017年、前代未聞のトリックへ向けて計画が進んでいった。

もちろん、不安定で気流もある中、飛行機の後部搬入口に接地したランプに突入してスカイダイビングに移行する、という流れも離れ業だが、これを撮影するスタッフも大変だ。地上でのトリックのように失敗したら何度もトライすれば良い、というものでもない。少ないチャンスをものにして、それをしっかりとカメラに収めなければならないのだ。

そのため、スタント撮影の精鋭たちと、映画『ミッション・インポッシブル』シリーズでスカイダイビング・シーンを監修していた専門家などを招集。さらに『ワイルド・スピード』シリーズで使用された航空機を使用するなど、鉄壁の布陣で撮影に挑んだわけだ。

前半、飛行する機内で練習を重ねる姿を見ても、やはり一筋縄ではいかない。ちょっとしたフリップでも地上とは感覚が違う。それだけに、ランプに入った成功シーンでは、思わず抱き合うほど。しかしそれが終わりではない。いよいよパラシュートを着用してのスカイダイビングパートまでの練習だが、これも何度もトライして、感触を覚えようとする様子が映される。

無事スカイダイビング・パートに突入してからも、今度は体勢をしっかり立て直してパラシュートを無事開くところまで自力で持っていかなければならないのだ。スタッフいわく「3000メートルもあるから時間は十分ある」とのことだが、ランプでの集中力から瞬時にスカイダイビングに切り替えなければならないわけだから、想像しがたい目まぐるしさがあるのではないだろうか。途中、必死で静かに集中を高めようとするレティシアの姿も映されるが、やはり「スケボーで飛行機で飛び降りるだけ」とはいかないようだ。

それだけに成功させた喜びはひとしおだっただろう。「その瞬間が来たら、あとは自分と、飛行機と、大空だけ。成功させるしかない、って感じました」そう振り返る彼女の表情は満足げだ。自分と飛行機と大空だけ。そんな純粋で究極のスケートボード体験はなかなかないだろう。地上に降り立ったレティシアはスタッフと喜びを分かち合う。しばらくすると相棒のデッキもパラシュートを開いて降りてきた。5年越しの夢が叶った1日となったわけだ。

ブラジルはサンパウロ出身のプロ・スケーター、レティシア・ブフォーニ。少女だった当時、治安も決して良くない地元のストリートで、スケートという遊びは取り締まりの対象になるほど目をつけられる、いわば不良男子の遊びだった。それでも彼女は、ボーイズばかりのスケート仲間に混ざって滑り続けた。いくら「やめろ」と言っても聞かない娘に激怒した父親が、ある日デッキをノコギリで破壊してしまうという事件も起こるが、泣きじゃくる彼女に仲間の一人がデッキを手渡したというエピソードはなんともハート・ウォーミングだ。渡米するとすぐに注目を集め、当時は少なかった女性スケーターのパイオニア的存在になったのだった。

スケートを愛し、スケートで自らの人生を切り開いてきたレティシア・ブフォーニ。高みを目指していたら、ついに大空をライドしてしまったのだ。過去にも印象的なチャレンジを繰り返し続けたレティシアが果たして次は何に挑戦するか、実に楽しみである。

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