スケート界で大きな話題 HUF × CRAILTAP 大規模コラボレーション

ストリート・ファッションブランドの「HUF(ハフ)」が、アメリカ・カリフォルニアを拠点とするスケートボード配給会社「Crailtap(クレイルタップ)」とのコラボレーションを発表、アナウンスとなった予告編映像が公開されたのだが、両ブランドの最も影響力のあるビデオをリスペクトした内容になっていることから、スケート界で大きな話題を呼んでいる。

Crailtapが手がけるブランドの「Girl Skateboards」「Chocolate Skateboards」「Fourstar Clothing」をそれぞれ“HUF × Girl”、“HUF × Chocolate”、“HUF × Fourstar”としてコラボ。パーカー、Tシャツ、キャップ、ステッカーなど、大規模なコラボレーションを順次展開し、往年のスケートファンやストリート・ファッション愛好家たちからの注目を大きく集めている。

今回の予告編映像が、CrailtapによるこれまでのレジェンダリーなVHSフィルムを編集したものだったことからも、90’s以降のスケートカルチャーから今日に至るまでの歴史や、キース・ハフナゲルのレガシー(遺産)へのトリビュートという意味合いもあることが窺える。1993年のSpike Jonze(スパイク・ジョーンズ)伝説のデビュー作として「Girl」からリリースされた名作ビデオ『goldfish』にちなんで金魚鉢や金魚鉢Tシャツ、金魚鉢ステッカーまで今回のコラボコレクションで販売されているのも面白い。

それにしても、フィルムで撮影されたVHSの映像はまさに90’sのスケート・シーンの趣(おもむき)だ。当時はフィルミングも記録もアナログで質感も独特だった。フィルムは再生するたびに少しずつ劣化していくが、スケーターたちはスケートビデオをVHSで何度も何度も繰り返し見ていた時代を思い出させる映像だ。

「HUF」は、ニューヨーク、マンハッタン生まれのプロ・スケーター、起業家のKeith Hufnagel(キース・ハフナゲル)が2002年に創業したブランドで、ここ日本でも根強い人気を誇る。創始者のキースは2020年に惜しまれながら脳腫瘍のため他界したが、その影響はスケートシーン、ストリートファッション・シーンにおいて今も多大で、これまでに数多くのコラボを行ってきた。

一方の「Crailtap」は、1994年にプロ・スケーターのRick Howard(リック・ハワード)、映画監督のスパイク・ジョーンズ、Andy Jenkins(アンディ・ジェンキンズ)が立ち上げたスケートブランド/リテイラーで、長い歴史と数々のビデオで知られるいわば老舗のスケートボード配給会社。

そしてHUFのキース・ハフナゲルやCrailtapのことを話題にする際、忘れてはならないのが「Chocolate」や「Girl」のライダーとして活躍したカリスマ的スケーター、Keenan Milton(キーナン・ミルトン)の存在だ。2001年に不慮の事故で溺死した(独立記念日のパーティだった)キーナンは、スパイク・ジョーンズ曰く「シーンの中心で誰からも愛される存在だった」という。そして当時のスケート・シーンやカルチャーを象徴するスピリットとスタイルの持ち主だったことで、その突然の死は、仲間達はもちろんのこと当時のスケート界に大きな悲しみと消失感をもたらしただけでなく、彼を記憶に残るスケーターにした。そのキーナンとキース・ハフゲネルは当時から親交の深い仲間だったのだ。

スケートボードの世界にとってキーナンとキース二人の不在はあまりに大きい。そのため2016年にはキーナンの没後15年を記念してHUF × Chocolateのコラボコレクション「Keenan Foreverをリリースしたことを始め、両者は継続的にキーナンへのトリビュートを続けている。

今回のコラボに続いて、また近い将来「Keenan Forever」シリーズが展開される可能性もある。そうなれば、コラボをきっかけにキーナンの存在を知らない若い世代にもその名が浸透していくだろう。HUFとGirlそしてChocolateは、過去から現在へとスケート・カルチャーを受け継いで更新している。例えキース・ハフナゲルやキーナン・ミルトンがこの世を去っても、そのレガシーはこうして若い世代、次の世代へと受け継がれていくのである。

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