“夜遊び=外出”の固定観念を打ち破る ゲーム業界に注目した「ハイネケン」の最新キャンペーン

ビールブランド「Heineken(ハイネケン)」がゲームをとおして人々との交流を表現する最新の広告キャンペーン『Not All Nights Out are Out(すべての夜遊びが外出するわけではない)』を展開している。

ハイネケンのグローバルキャンペーン『Not All Nights Out are Out』は、ゲームやeスポーツなどのゲーム文化と、ハイネケンが持つ社交的な精神を融合させたブラジル発の広告キャンペーン。イタリア・ミラノの広告代理店「Publicis」と、その傘下にあるブラジルの広告代理店「LePub」が制作を担当した。

このキャンペーンのメインとなるCM動画「Just Another Night Out(いつもどおりの夜遊び)」は、ブラジル・サンパウロの街を舞台に、主人公の女性Alex(アレックス)と3人の仲間たちによるストーリーが描かれる。

アレックスが参加している「Night Warriors(ナイト・ウォリアーズ)」というグループチャットで、友人から「いつもの場所で夜8時はどう?」というメッセージが届くと、参加表明をしたメンバーたちが市内を移動しながら、「いまから向かう」「もうすぐ着くよ」などとメッセージを送り合う。

アレックスは、電車に乗り遅れ、タクシーを捕まえられず、シェアバイクを借りるも故障してしまい、さらに突然の雨に降られて、散々な状態で帰路を急ぐ。彼女はずぶ濡れになってやっと帰宅すると、ハイネケンのビールを持ってパソコンの前に座って一息つく……。「みんなもう集まっているよ」「ロビーで待ってるね」と仲間たちからのメッセージが届き、彼女がパソコンを開くとオンラインゲーム上にはすでに3人の友人のアバターが集合していた。アレックスは笑顔になり、ビールを掲げて仲間たちと乾杯する。

フランス人ディレクターFrederic Planchon(フレデリック・プランション)が手掛けた本キャンペーンCMでは、主人公がおなじみの仲間たちと過ごす夜を、バーなどの飲食店で友人たちと集合する従来のスタイルではなく、ゲームを交流の場と考える新たなスタイルで描いている。たとえ離れた場所にいても、オンライン上でゲームをとおして、友人と会って、お喋りして、楽しい時間を過ごし、ビールを一緒に飲むことができるのだ。

ブラジルは、人口の88%以上が何らかのゲームをプレイしているという情報もあるように、中南米最大のゲーム市場であり、世界最大のゲーム市場のひとつとして知られている。しかし、ゲームは孤立して非社交的な活動だと考える固定観念やイメージを持つ人が多いという環境はいまだに変わっていないようだ。

このキャンペーンについてブラジルのHeineken Business Unit(ハイネケン・ビジネス・ユニット)のディレクターEduardo Picarelli(エドアルド・ピカレッリ)は、「我々はそのような固定観念を破る手助けをできればと願っている。共通する部分があるからこそ、我々はゲームの世界に参入した。我々のブランドも、ゲームコミュニティも、どちらも核となるのは“交流”だ。ハイネケンの役割は、常に取り扱うテーマに新たな視点をもたらすという伝統に従いながら、このキャンペーンをとおして“ゲームをプレイする人は友人と疎遠になる”というイメージを払拭し、“ゲームをプレイすること=人々と交流する活動”として讃えることだ」というようにコメントしている。

ハイネケンの『Not All Nights Out are Out』キャンペーンでは、このキャンペーンCMのほかに、商品クーポンがもらえるモバイルゲーム「In-Games Bars」や、限定ボトルに記載されたQRコードからアクセスすると好きなゲームのタイプが合う友達を探すことができる「Beer Matchmaking」など、ゲームにまつわる各種キャンペーンが展開されるようだ。

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