オーバー・ザ・爆弾処理班 アンディ・ラウの爆発するしくじり先生『バーニング・ダウン 爆発都市』

偉そうな上司、通らない言い分、苛烈な業務命令、会社からの掌返し…
ああ、いっそ職場を爆破してえなあ…
こんな気持ちに駆られている人はいるだろうか?
奇遇だな!俺もだ!

そんな『日々職場を爆破したい勢』必見の映画が公開される!
4月15日(金)に公開された『バーニング・ダウン 爆発都市』だ!

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かつて自分を顧みずに爆弾処理班として人命救助に勤しんでいたアンディ・ラウが左足を失い、気が付けば道徳心もド忘れ!退職届代わりに爆破テロを敢行するが、自ら仕掛けた爆発に巻き込まれ記憶まで失ってしまう。
ぐうの音も出ない喪失コンボを食らってしまうアンディであったが、どうやらそれが功を奏したらしい。
色々リセットされアンディは真人間へとトランスフォーム!
しかし過去の自分が仕掛けた爆弾テロは一つではなかった。
誰が敵で、誰が味方か…何より自分自身が一番信じられない中、アンディは香港壊滅を阻止すべく奔走する!

…という、『バーニングするのは香港か?アンディか?』というのが本作のあらすじだ。

公開されている予告映像も、絵面の三分の二が爆発という景気の良さを披露!某劇場版コナン君のあらすじを実写化して200億円の中華鍋で調理しました!と言わんばかりの迫力と気合に満ちている。

『現代劇になると街が爆発しがち』に定評のあるアンディ・ラウ主演の本作。そんな彼のオーバー・ザ・爆弾処理班っぷりがキラリと光った『ショック ウェイブ』の精神的な続編である。

ともすれば「ショック ウェイブ2ってつけろよ!?おい!」と思う人がいるかもしれん。だがまあ、香港のバーニングしてダウンしている!という意味では、邦題に偽りはない。
前作を見ていたら良い意味裏切られ、前作を見なくても充分に楽しめる親切設計な作品だ。いわばラウ・マルチバース的な作りになっている。

本作のアンディ・ラウはナイスガイ→闇堕ち→記憶喪失と、実に業の深い男を熱演!本人が仏教徒なのもあってか、ラウが演じるにはうってつけのキャラ設定だ。

光のラウ、闇のラウ、ド忘れラウ…と、まさに一度に三度美味しいラウ詰め合わせ状態である。それまで爽やかスマイルで人助けを行っていたアンディが、椎名林檎の無罪モラトリアムのジャケばりに己の不遇を陳情する様は目を見張ってしまうだろう。思わず学校や職場の朝礼で真似したくなる姿勢だ。

そんなアンディが警察、そしてテロ組織にも狙われる孤立無援の一人パラリンピック状態で香港を奔走!善と悪の間を揺れながら、『爆発するしくじり先生』みたいなポジションでストーリーを引っ張っていく。

出てたら嬉しい香港俳優ラウ・チンワンも、かつての元相棒として出演。
無茶ぶりにもほどがある被弾しながらの爆弾解除、心にダムはあるのかよ!と上層部やアンディへブチキレるなど、漢気目覚まし時計として安定の脇役演技で魅せてくれる。

倫理的に「人としてどうなんだ?それは!?」という特命を記憶喪失のアンディに課す元カノを演じるのがニー・ニー。
戦闘服に身を包み、特殊部隊を統率する鉄火姐御っぷりをベテラン俳優達相手に物おじせず披露している。アンディとは違ったベクトルで彼女の倫理観が反復横跳びする演技は必見だ。

このように、「ただただ爆発するだけの映画なのか?」と言われれば、決してそうではない。
二転三転する先が読めない展開、炸裂する熱いブラザー精神、切ないBIG
LOVE…と、味濃いめの満漢全席に仕上がっている。

何より、かつて過ちを犯した人、あるいは今まさに闇落ちしそうになっている人(俺とか)にこそグッとくる作品だ。
クセが強めなストーリー展開およびキャラだらけの中、果たしてアンディはどんな決断を下すのか?
彼がたどり着くピリオドの向こう側を、劇場で見届けて欲しい。

文・DIEsuke(@eroerorocknroll)/ステイサムの悩み相談bot狂犬映画ライター・映画タッグ:ビーパワーハードボイルド

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