盗んだ救急車で走り出す!行先も分からぬまま! 青春アミーゴ修羅場ドライブ映画『アンビュランス』

盗んだ救急車で走り出す!行先も分からぬまま!

逆走上等、制限速度をガン無視する修羅場ドライブ映画が遂に公開された!
それが『アンビュランス』だ!

ユニバーサル・ピクチャーズ公式/YouTube

元軍人のウィルは絶賛無職の身であった。
かつては戦場の英雄だったのも今は昔。妻子持ちであるものの、駐車場係の仕事すらない。更に奥さんは重病を患っている。
まさに不幸の役満状態。もう誰かの金配りツイートをリツイートしかねない切羽詰まった状況に陥っていた。

金を工面するべく、疎遠だった兄のダニーを訪ねるウィル。
ダニーは何を隠そう、奥さんからも「アイツには連絡するな」と言われるほどの札付きな反社。悪い意味でこち亀の両さんのようなバイタリティのオーナーであった。

実際、久しぶりに再会したダニーはウィルとの再会を喜んではいる者の、目は全く笑っていない。とはいえウィルは大事な兄弟だ。
彼の窮状を聞き、「よし!銀行強盗だ!!今から!!」とダニーは持ち掛ける。
そんなパチ屋に行くみたいなノリで強盗なんて出来るはずねえだろ!という話であったが、背に腹は代えられない。

駆けつけ即強盗!の片棒を担ぐ羽目になるウィル。
他のメンツも血の気が常人より多めなのもあり不安しかなかったが、その予感は的中した。

強盗は成功したものの、予想以上の速さで大量のポリスメンが銀行を包囲!
しかも道すがらウィルは人質にしていた若いポリスメンに銃弾を叩き込んでしまう。
テンパるウィルとダニーは渡りに船と居合わせた救急車へ便乗!
だが、後ろを見るとさっき撃って死んだと思っていたポリスメンが治療されてるじゃないの!
気の強そうな救命士をゴリゴリに脅し、救急車で現場を後にする二人であったが、そうは問屋が卸さない!
パトカーが並走するLA爆走パレードの様相を呈してしまう。
果たして世間に背を向けた二人の兄弟はビッグマネーを掴めるのか?
そんな二人に囲まれた救命士は、瀕死の警官を救えるのか?
救急車に乗り合わせたメンツに共通するのはーーーそう!ヤケクソな状況のみ!
こうして、LAを舞台にした救急車の明日なき暴走が始まるのであった。

全く状況が好転しない修羅場の確変ぶりに目を見張ってしまう本作。
ドライブマイカーならぬドライブ他人カー映画だ。
『どうかしている状況での無茶ぶり』模写に定評のあるマイケル・ベイだが、本作でも健在!
爆走する車内でのリモート開腹手術、箱乗りヘリ銃撃、兄弟ツープラトン回転銃撃など『ベイ映え』としかいいようのない模写が連発する。
この『ベイ映え』も劇中のドラマがあってこそ。

言い訳出来ないほどゴリゴリの反社なダニーと、片棒を担いだどころか結果的にカタギの道を踏み外したウィル。
人種も、ましてや血の繋がりもないかもしれん。
ましてや世間の人から見れば暴走する犯罪者にしか見えない。
だが善悪はどうあれ、兄弟としての繋がりは本物だ!と観る者に感じさせてくれる。
テレビ版の傍若無人があるからこそ、映画版ジャイアンの優しさが際立つように、修羅場だからこそキラリと光るブラザー精神は必見だ。
ともすればベタとも取られるかもしれんが、エモいってのは、こういうことさ!とアンサーを叩きつけてくれる。
特に終盤の展開は、思わず修二と彰の『青春アミーゴ』の歌詞が頭をよぎるだろう。
破壊模写ばかり取り沙汰されるベイだが、ドラマがあるからこそ破壊がある!と改めて観る者に思わせてくれる。

かつてマイケル・ベイが演出した諸作品の要素もチラ見せしている意味でも、脇役に至るまでクセが強めのキャラが次々登場する意味でも、ベイマニアもベイ初心者も楽しめる親切仕様だ。
ここ最近は配信ばっかのベイ作品だったが、久しぶりの劇場公開という意味でも見逃す手はない。
絶賛明日なき暴走中の方は、是非盗んだ救急車で劇場に駆けつけて欲しい。

文・DIEsuke(@eroerorocknroll)/ステイサムの悩み相談bot狂犬映画ライター・映画タッグ:ビーパワーハードボイルド

©︎2022 Universal Studios. All Rights Reserved.

TAGS