“根っからのミュージシャン” BLACKPINK・ロゼを支えたのは、反骨精神とリサ

9月16日にリリースされたBLACKPINKの2ndフルアルバム『BORN PINK』は、米Billboardのアルバムチャート「Billboard 200」、全英アルバムチャートで1位を獲得。タイトル曲「Shut Down」はSpotifyの「Global Top 50」でも首位を席巻した。さらにYouTubeアーティスト部門では購読者が8000万人を超え、こちらも不動の1位を誇っている。

そんな勢いの中心に立つ最強グループBLACKPINKのメンバー、JENNIE(ジェニー)、JISOO(ジス)、LISA(リサ)、ROSÉ(ロゼ)の4人は一体どんな女性たちなのだろうか。2020年にNetflixで公開されたドキュメンタリー『BLACKPINK〜ライトアップ・ザ・スカイ〜』を振り返りながら、改めて4人の素顔に迫る。

メインボーカルを務めるロゼは、BLACKPINKの音楽パートを担当する。ピアノとギターが得意で、特に練習生時代はレッスンが終わった後も眠れないときには夜遅くまでギターを弾いたり、歌うことでストレスを解消したりしていたという。プロデューサーのテディも「朝までスタジオにいることもある。『まだいたの?』って驚く」と根っからのミュージシャンだ。

ニュージーランドで生まれて7歳のときにオーストラリアに引っ越しして育ったロゼは練習生として韓国に来るまではずっと海外で暮らしていた、いわば帰国子女。「教会に行くと韓国人の友達がいて、オーストラリアになじんでいた」というように2つの文化の中で育ち、それなりに満足していたロゼだったが、ある日父親から「好きなことに挑戦しないと一生後悔するかもしれない」と言われて一念発起。2012年にギター演奏でオーディションを受けて合格し、16歳のときに単身渡韓を決意する。 「このことで私の一生が変わった。家族と離れて暮らすことが悲しかった」と振り返るほどのチャレンジだった。

大きな決心で韓国に来たとはいえ、レベルの高い競争に圧倒されて毎日怯えていたというロゼ。そんな練習生時代について「楽しい感じではなかった」と振り返る。「ABC評価で結果がつく。良い評価を受けるにはいろいろな基準があるけど……私は間違ってばかりだった」「いつもママに電話して泣きついていた」と、厳しい評価に落胆していた日々を回想した。延々と続く先の見えない練習生時代を乗り切れた秘訣について、同い年で同じような境遇のリサがいたことと「このまま何もしないで帰るわけにはいかない」いう反骨精神だったことを吐露した。

そして辛く厳しい4年間の練習生時代を経て、ジェニー、リサ、ジスとともにBLACKPINKの一員になった。他のメンバーと同様、ロゼも「すごくうまくいっていた」と当初からその相性の良さを肌で感じていたことを明かす。「普通は『もっと歌いたい』とか『センターがいい』とかモメ事が起こるものだけど、私たち4人の場合、みんなが自分の役割を理解していた」と振り返る。息がぴったり合った4人で、思い入れがたっぷり詰まった曲でデビューした『WHISTLE』は順調にチャート駆け上がっていった。「1位になったときは飛び上がって喜んだ」というほどその達成感は大きかった。

2019年には初のワールドツアーも経験した。ツアー中には「憧れていた舞台だった」というコーチェラ・フェスティバルで韓国を代表してパフォーマンスをすることに。「準備はできていた」とはいうものの、「ツアーにはファンが私たちを見に来てくれるけど、ここには音楽ファンが来る。観客が集まるのか心配だった」と不安もあったことを告白する。結果として大勢の観客を動員した舞台で自分たちの力を出し切ったコーチェラでのパフォーマンスは大成功。この経験を通じて「大事なのは観客の人数じゃなくて会場がいい雰囲気になること。みんなが一体となること」という大きな学びを得たのだそう。そして「まさにこのとき、達成感を感じることができた。長年のトレーニングを報われた」と、決心を貫いてきたことに大きな手応えをつかんだようだ。

BLACKPINKのメンバーとして充実した日々を送りながら「先のことは全く予想できなかった。楽しみでしかなかったから」と話していたロゼに、スランプは突然やってきた。プライベートな時間が持てなくなったツアー中、「ステージ上ではすごく生きてると感じるけど、ホテルに戻ると抜け殻になった」と、そのもどかしさから再びホームシックにかかってしまったという。そのためか、不調を乗り越えた最後のステージでは、普段あまり観客に話しかけないロゼがあいさつ中に感極まって涙を流すなど感情を爆発させる一幕も。「ステージ上では見せないこともいろいろあったけど、全てを乗り越えられたことを誇りに思う」——家族と離れ、夢を叶えるためにがむしゃらに努力し、ワールドツアーという一大イベントをやり遂げた安堵感がロゼの心の鎧を一瞬解いたかのようだった。

このツアーから約3年。今年は10月15日のソウル公演を皮切りに、前回以上の規模のワールドツアー<BLACKPINK WORLD TOUR [BORN PINK]>を開催中。さらに成長したBLACKPINKのライブに世界中の“BLINK(BLACKPINKファンの愛称)”たちは大きな期待を寄せている。

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